PLCがダメな理由をヨボヨボと考える
註:これはまだまだ手を加える予定のある殴り書きです。
たしかに自分は、短波帯での免許も持っているアマチュア無線家の一人です。また、
急に寝返った裏切り者のJARLの正会員でもあります。
その立場で技術的にどーのこーの、平行性がどうの、
コモンモードがどーのこーの言った所で自分が完全に詳細に理解できていない事柄を書いても、
たぶんこれを目にするであろう(技術などに明るくない)ふつう人が理解できるとは思えません。
そこで、平易に自分で理解できている範囲の事柄で「PLCはダメなものであること、先行きが暗いこと、普及しないと思われること…」 などなどを思いつくままに書いてみようという試みです。
それを元に自分のwikiなりBlogの本家なりに持ってゆこうかと。
まず、PLCに関する検討をしている団体が拠り所にしている「そんなに雑音が増えたりすることはありませんよ」
という研究結果に対して、複数の大学などでの研究結果などからそれが「間違っている」と指摘されているのに、
微塵も再検討する気がないのです。
パブリックコメントなどでも、「おかしい」と指摘されているのに自分たちが拠り所にしている調査結果のみが正しく、
それで間違いないと決め付けています。いくつものパブリリックコメントを自分たちの都合の良いように「ほか何名」
などでくくった上にさらに複数の項目に対してまとめて「既定どおり」と回答して、微塵も疑問に答えていない有様には驚くばかりです。
そもそもその「既定」に疑問を投げかけられていることがわからないのです。さらには推進側の意見には「賛同いただきありがとうございます」
ってびっくりな回答が。賛同に対して感謝するって事は反対意見は感謝されない、ありがたくない、いわゆる「迷惑だ」
といっていることに他なりません。広く意見を求めるという立場であれば、どちらの意見もありがたくなければオカシイのです。はなから
「出来レース」であること、「パブリックコメントを受け付けて話を聞きました」
という既成事実をつくるために実施したものと受け取られても仕方ありません。
意見を聞いて疑問に答えて指摘されたところをきちんと再度詳細に調査しなおさないのであれば「ポーズだけのパブコメ」
を税金使って無駄をやったことに他なりません。
なぜ、「非常識」とまで言われるような「トンデモ理論」をごり押ししなければならないのでしょうか?はなはだ疑問に思うしだいです。
地方へのインターネットの普及に役立つ…と思われている誤解。
インターネットを使うためにはブロードバンド回線を光なりADSLなりで家まで引いてこなければならないのです。
その部分は推進側が夢物語を宣伝して歩く際にはあまり語ろうとしません。
結局地方や山間部などにはブロードバンド回線を引くこと自体が出来ない地域が沢山あるのです。
そんな場所でPLCを使う用途ってどれぐらいあるのでしょうか?情報家電同士の相互通信ですか?
ホームサーバーから各部屋へのリッチコンテンツ(ハイビジョン動画とか…
)の配信でしょうか?インターネットへの接続というのはありえませんものね。
余談:自分の田舎でさえ、 少し前まで実家の電話番号を入力してサービスの可否を調べようとすると、結果さえ出てこない有様でした。 もっとも局舎からの線路長が4000m近くなっているのでADSLでは速度が出なくともリンクして500kbps程度でも速度が出ればラッキーだと思います。
接続が簡単だという誤解
幸いにもブロードバンド回線が引ける地域に住んでいるとしましょう。
家屋の分電盤付近で屋外との接続部分を設けることになります。
この部分でさえ「コンセントに差し込めば…」と宣伝していますが、
なにもせずにつなぐと家の外の柱上トランス付近までは自分の家からの信号が流れ出てしまいます。
本来屋内に限り使用できるという条件の下認可が下ろされようとしているのですから、野外の空中電線にそれらの信号は流れるのはまずいのです。
そうしないためには、家の内側と外側との間に防護フィルタを挿入しなければなりません。
この部分はどうがんばっても電気工事を実施しなければ、素人が日曜大工の延長でこそこそっと勝手にやってしまうような規模ではありません。
実に面倒ですし、工事費やフィルタの代金などが余計にかかります。
現状では外付けのPLC装置しか発売される目処が立っていません。
ブロードバンド回線との接続点に1台必要なのは素人考えでもわかります。そして、
情報家電やインターネットを使いたい場所にもう1台必要になるということも非常に理解しやすい話です。
将来PLCが順調に普及すれば、きっとPLC装置が内蔵された情報家電やPCなどが発売されるのでしょうが、
それまでの間は外付けのPLC装置を使うしかありません。
使用したい部屋が複数になったとしたら、1台2万円だとか1万円だとかいう装置を買い足してゆかなければなりません。また、
同一グループであることを簡単に設定できることを売りにしている機材でも2台の間の関連付けならボタンを同時に押すなどで登録できるものの3台目以降となると操作がかなり面倒であるというレポートが上がっています。
200Mbpsの誇大広告
理論値での数字による広告は無線LANでの数字競争の際に公正取引委員会から実際には出もしない理論値を掲げることは、
優良であると顧客に錯誤させることに他ならないので不当広告であると注意されたはずです。
開発技術者のぶっちゃけたコメントではPLCが認可される予定の基準で一般家庭に持ち込んだ場合速度は10Mbps出るかどうかだそうな。
メーカーが異なると通信できない
語られていないことにはこのようなものもあります。現在無線LANのwifiテスト合格品のような相互接続保証というものはありません。
各社が独自の方式を採用しているので、あとから買い足した他社のPLC装置では通信できないのです。
たとえ使っている部品が同じな同じ方式のものであっても会社が違えば相互登録が出来ない見込みです。ということはすなわち、
PLC装置内蔵の情報家電が発売になった際には希望するメーカーの製品を使うためにPLC装置を全部そのメーカーに合わせなければならなくなってしまいます。
将来統一規格が出来た際にも「旧規格の製品」となってしまいますね。
家屋の中でコンセントによって通信が出来ない
電柱から素の100Vを2本の電線で引いてくるケースよりも、
3本の線で200Vで引いてきて家の中を100Vの2系統で配電しているのが一般的になっているそうです。
壁の中の100Vの電線を使って通信するわけですから、その系統をまたぐ形でのPLCでの通信は出来ません。
PLCのために系統の振りなおしとか事前調査などをしてもらわなければならないということになります。
家の中でほかの家電製品が動いていると速度が落ちる
最悪、通信できなくなることが報告されています。ドライヤーや掃除機などのモーター系の家電製品だったり、
携帯電話の充電器からもノイズが出てしまうことがあるという報告が出ています。さらには、
便利に使われているテーブルタップや延長ケーブルによる分岐などが増えると全体に影響が出てきますし、
電源スイッチつきのテーブルタップや中間スイッチなどは、電線の平衡性を崩してしまうために漏れが増えたり、速度が低下する、
最悪通信が出来なくなるといわれています。
同時に複数の通信を通すことは出来ない
通常LANと呼ばれる(実際にはLANは~の略)イーサネットでは、分岐点にはスイッチングハブという装置が用いられています。
この装置の役目のひとつには「不必要なところにはデータを流さない」という機能を持っています。
(もちろんスイッチ機能のないダムハブとかリピーターハブというものもありますがスイッチングハブの値段は十分下がっている昨今、
特に目的がある人以外買わない。)
一方PLCの信号を流す電線はあくまでも電力を届けるためのものですから、そんな関門がついているわけありません。
そうなると、装置A-装置B(たとえば居間のビデオサーバーの映画を自分の部屋の部屋で見る)で通信をする場合、
家中の(通信することが可能な)コンセントにその信号が届いてしまいます。
同じ時間に、装置C-装置D(たとえば、別の部屋のパソコンでインターネット接続する)で通信をしようとすると、
A-BとC-Dの信号が混ざってしまっては困るので、時間分割で通信するしかありません。
(いくらなんでも連続して何分も独占してデータを流し続けるような気の狂った仕様になっているわけないですよね。個人的な予想ですが。
)
すなわち、1本の経路を2人でぶつからないように使うと、 単位時間当たりに通過できる荷物は半分になってしまうのは想像できるはずです。
さらに効率が低下する要因が
イーサネットでは、送受信を別の線を利用しているので送信と受信を同時に行うことが出来ます。
(イーサネットケーブルには標準的に8本の線が通っていて、2本1組なので実質4本の線が通っている形です。)送受信が同時に出来るので、
通信中のエラー訂正とか、受け取り側の処理が間に合わないのでちょっと待ってくれなどの情報を随時流すことが出来ます。
一方PLCでは既出のとおり2本の線しかありませんので、
エラー訂正などのための信号も他の通信が行われていないタイミングで行わなければなりません。
複数の人でデータの転送能力を分け合わなければならない上に、
一人で使っている時でもエラー訂正のために送信と受信を繰り返さなければなりません。送信と受信の切り替えも0秒では出来ませんので、
小さな時間の積み重ねが膨大な蓄積となってデータ転送効率を低下させてゆくことになります。
私が恐れるいくつかの事項
今回認可が予定されているPLCの場合、ノイズレベルを抑える目的で適正な値(上限が決めてある)に設定された上で、屋内で使用される。
というのが前提です。
しかしそれらが崩れた場合の対処について何も明確にされていないのです。
野外で使うことはできません。
母屋と離れの間に敷設された私設の電線にPLCの信号を流すようなことはしてはいけないのです。
また、速度を出すために改造する(内部をあけて調整するなど)ことも許されてはなりません。
速度を出すためにはPLC装置からの信号レベルを上げることに他なりません。
しかし、売れ行きが悪いとパーソナル無線のように違法改造して「速い!」
などと称してそのまま使うことが出来ないものを販売する連中が必ず出ます。パロマ事件でもお客から「満足に使えないじゃないか!」
と販売店に文句が行くと、違法を承知で改造するなんてことがおこります。
販売使用に当たってもどこの誰かもわからない人が法的規制などもまったく無知なまま、無造作に持ち帰って設置するわけです。
下手をすれば違法改造品が一人歩きで流通し手から手へと流れてゆくともう追跡さえ出来なくなるのです。
既存の電化製品はPLCからの信号による障害について、
考慮されているとは言えない恐ろしい側面もあります。だってまだ存在していないのですから、考慮するにも限界があります。
PLCで夢の生活!のような説明の中には、
病院に導入して入院患者へのサービスとか院内通信に利用できるようなことが書かれている代物を見たことがあります。
空間を飛んでくる微弱なPHSの電波でさえ「使用禁止区画」が存在するような医療機関で、
コンセントのように直結しているところから流れ込むPLC信号に対しての耐性は十分に検証がなされているとは到底言えないのが現状です。
入院患者が持ち込んだらどうなるのでしょう?
個人的には「問題がなければ便利かもしれない」と思っていました。
しかし、問題(発生するノイズ云々)以前に技術としてすでに5周遅れぐらいでようやくピットスタートするような、
速度が出ない上に散々にらまれているものを無理を通して道理を曲げてまで市場に出すというのは信じられません。
有線LAN(イーサネット)ならば、ギガビットなどの1000Mbps(もちろんこれだって理論値だけど)に突入していますし、
高速無線LANでも実効値30Mbps以上出たりしています。何をいまさらな感は否めません。
研究開発費などを投じた企業などは、意地でも費用回収したいのでしょうが、 「実際に普及してから問題点などを洗い出してより良いものに…」と悠長なことを言っているメーカーさえあります。 最悪人死にが出る恐れさえあるのですが、それが社会的責任としてのコンプライアンスを掲げる企業のやることなのでしょうか。
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